杜の家づくりネットワークについて

杜の家づくりネットワーク
宮城の風土、歴史に調和し、心身共に健康に生活することができる住まいを考え、学び、実践しようという目的のもと、1999年7月
建築設計事務所・林業・工務店・職人・住宅設備など住宅に直接係る人があつまり結成されました。
国産材をはじめとする自然素材を使い、木材、森林、環境への理解を深め、実現させる優れた木造技術と伝統を大切にしたいと考えております。
 

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事務局

(有)ササキ設計  佐々木文彦
〒980-0871
宮城県仙台市青葉区
八幡1丁目10-14SAU04
tel:022-268-6578
fax:022-722-7823
mail
sasaki@sasakisekkei.co.jp
Web
http://www.sasakisekkei.co.jp
 

杜の家づくりネットワークの活動・理念・目的

 この会は、先人から受け継がれてきた「木の家」(伝統的木造住宅や木造軸組工法住宅)がもつ技術的な知恵や工夫を学び、そして、もう一度原点に戻り、人間が生活を営む基盤としての住まいについてのあり方を住宅建設に携わるものだけでなく、住まい手の方々と共に、考えてみようとするものです。
 「木の家」については、その歴史が長いにも関わらず、模索しながらつくり続けているのが現状であります。そこで、私たちは、林業家、製材業、大工や左官などの職人、工務店、設計士などの木の仲間を募り、受身ではなく、会員一人一人の自主性のもと、自分でできることを提供し合いながら自らの知識や技術を向上させ、お互いを高めあう活動を行い、その場にも住まい手の方々を参加させる事により、「木の家」づくりの良さを広め、人と住まい・街・森林の環境にやさしく安心な家づくり・住まい方を目指し普及を図ることを目的としております。

 

森林見学会の開催

森林見学会画像森林見学会と題し、まずは、当ネットワーク会員でもある林業家佐藤久一郎さん所有の山の杉を一般参加者を含め見学します。伐採を抑制しなければならない森林がある一方で、間伐しながら手を入れないと荒廃してしまう森林があるという森への理解を深めることを目的としました。


 次はこちらも当ネットワーク会員である丸平木材(株)小野寺さんの製材所を見学します。一般の方はなかなか見ることができない、木をどういう風に建築材として加工していくか、工程を見ることが出来ます。この活動を行うことで、「木」一本一本の重要性から森林、環境まで考えるきっかけを与える事が出来ればと思っております。

森林見学会の様子
上2枚は森林にて
左2枚は製材所にて

 

木考塾(もっこうじゅく)の開催

様々な「木の住まい」に関わる方々を講師とし、お話いただく事で、互いの知識向上を目指したセミナーです。そこで、講師していただいた方々を何人か紹介したいと思います。

・「ヨシ原と共に生きる~環境循環型社会を目指して」と題し、熊谷産業の熊谷さんに講師して頂きました。中尊寺や伊勢神宮のといった一級の文化財から古民家の修復、街並み保存まで全国の茅葺きを担う専門会社で、葦原の保全、茅葺工法の研究、継承の育成などに力を注いでいる方で、2003年にも海外の茅葺についてもお話いただきました。

・「杜の家のかたち」と題しフリーライターの渡辺征治さんに講師していただきました。 東北各地の村々、自然、民家など渡辺氏が撮ってきた写真を見ながら風土と暮らし方についてお話いただきました。

・「住みやすい、居心地の良い住まい」について薬剤師の永山良子さんに講師していただきました。健康に暮らすとはどういうう事なのか、永山氏の意見を頂きました。
 

 上記のように建築関係者のみならずいろいろな立場の方々を講師に招き環境・自然・住まいに関する情報を公開することで、意識の向上を図っております。もちろん、こちらの木考塾も一般参加者を募り、住まう人の意識向上も目的としております。

 

フォレストフォーラムの開催(現在は行っておりません)

より多くの方に興味を持って頂けるように開催しております。テーマはそれぞれで、「「木」と暮らす「木」を生かす」(2004年開催)「地域に根ざした木の家づくり」(2006年開催)などなど、テーマに沿ったワークショップ、シンポジウム、基調講演、パネルディスカッション等を公開しております。

 ワークショップの写真です。老若男女問わず参加者が集まります。鉋がけや漆喰塗りには、女性や子供たちも積極的に参加し、楽しげに体験しておりました。
 又、環境にやさしい建築材料を扱う企業など20社近くのパネル展示や、サンプル等を並べ、実際手で触れて見る参加者も多く、足を止めて見入っていた様子が見えました。




基調講演では、2004年には「板倉の家~里山の暮らしと杉の使い方」と題し、安藤邦廣氏(筑波大学芸術学教授・建築家)をお招きし、木と人の関わりをひも解きながら、里山の歴史や住まいについてお話頂き 2006年には、
「杜から考える地域のつながり」と題し小金澤孝昭氏(宮城教育大学地理・環境教育学教授)に公演頂くなど、数多くの先生方にきていただき、一般参加者を含め、理解を広めております。



パネルディスカッションでは、その回の主旨について数名の建築家や林業家や大工、教授等で意見を言い、会場から出た意見・質問等に答えていくような形式で行われます。いろいろな観点から主旨を見つめ、一般の方々にも解りやすく、かつ、興味をもって頂ける様な、そして、食や住・環境全般まで考えさせられるようなシンポジウムの場となります。



このような、活動をきっかけとし、理念に賛同する一般参加者や、建築家、職人が集まり、お互いの理解・信頼関係が構築できるように、人と人とのつながりをつくっていくこともこの会の目的のひとつです。
 

家づくり~

この会に賛同し、家づくりを行った方々の作品をご紹介します。

■高野原の家
 北側には雑木林があり、デッキ等から見渡せるような敷地にあります。リビングの上部はロフトまでの三層吹き抜けの空間となっており、その大空間を支える大黒柱は、お施主Sさんが自ら森林見学会の際に選んだ、とても愛着のある柱です。通風も可能な板戸・雨戸を設け、リビングには木製サッシを採用し、戸袋に引き込む事で全面開口になる開放間のある家です。

■泉区館の家
 仙台市郊外の、遠くに泉ヶ岳を望む住宅街の一角にあるこの家は、お施主Tさんが「真物で建てたい」と要望した家です。上記の高野原の家を建てたSさん同様、森林見学会で、大黒柱を自ら選びました。吹抜けを支える太い杉丸太の大黒柱、赤い丸節が華やかな桧の床。「お互いの顔が見える家づくりをしたい」と要望したTさんの納得の家づくりになりました。